【建設業許可】許可番号の「般」「特」、そして「数字」の意味は? 八王子の行政書士・吉村がスッキリ解説!
こんにちは!東京都八王子市で、建設業許可専門の行政書士として活動しております、吉村です。
いつもこのブログを読んでくださっている皆さま、本当にありがとうございます。読者数は細々とですが(笑)、親しみを持って読んでいただけているのが、何よりの励みになっています!
さて、先日、お客様からこんな質問を受けました。
「ウチの会社の許可番号、〇〇知事 許可(般-05)ってなってるけど、この『般』って何? 『特』っていうのもあるの?」
これ、建設業許可をお持ちの社長さんでも、意外と「そういえば何だろう?」と思っている方が多い、今さら聞けない疑問の一つですよね。
今日は、この許可番号に隠された意味、特に「般(パン)」と「特(トク)」の違い、そして許可番号の数字について、スッキリ解説していきます!
1.結論:「般」と「特」の違いは、下請発注の“枠”の違い
許可番号を見ると、「一般建設業」と「特定建設業」のどちらの許可を持っているかを示しています。
- (般) = 一般(いっぱん)建設業
- (特) = 特定(とくてい)建設業
この違いは、ものすごく簡単に言うと、「元請として受注した工事を、下請業者さんにいくらまで発注できるか?」という金額の“枠” が違うだけなんです。
どちらが偉いとか、スゴイとかいう単純な話ではありません。それぞれの会社の事業スタイルに合わせた許可を取得している、ということですね。
2.「金額の枠」はどうなっているの?
「一般」と「特定」の分かれ目となる「制限額」は以下の通りです。
一般建設業(般)
元請として工事を受けた場合、下請に出す金額に制限があります。
- 下請発注額の合計が 5,000万円未満
- (※建築一式工事の場合は 8,000万円未満)
【ここがポイント!】 例えば、6,000万円の建築一式ではない工事を元請として受注しても、下請への発注額が5,000万円未満であれば、「一般」の許可で全く問題ありません。あくまで「下請に出す金額」が基準です。
特定建設業(特)
元請として工事を受けた場合、下請に出す金額に制限がありません。
- 下請発注額の合計が 5,000万円以上(建築一式工事は 8,000万円以上)となる工事で、元請となる場合に必要です。
3.なぜ「特」は要件が厳しいの?
「特定」の許可を取得するには、「一般」に比べて非常に厳しい財産要件をクリアする必要があります。(例:資本金2,000万円以上、純資産4,000万円以上など)
その理由は「下請業者さんを守るため」です。
特定建設業者が元請となって大規模な工事をする場合、多くの中小の下請業者が関わります。もし元請である特定建設業者が倒産などでお金を払えなくなったら、多く の下請業者さんが路頭に迷ってしまいます。
特定建設業の厳しい財産要件は、元請としての経済的な体力を担保し、下請業者への支払い能力を確保するための「安全装置」なんです。
4.許可番号の「数字」は何を意味しているの?
許可番号にある「(般-〇〇)」の数字は、「許可を受けた回数」ではありません。
正確には、建設業法の改正があり、許可番号の数字を刷新した「基準年」からの通算した「年度」を示しています。
例えば「(般-05)」の場合、現在の基準年(多くは平成31年度)から数えて5年目(この場合は令和5年4月~令和6年3月の間)に許可が降りた、という意味になります。
つまり、この数字は会社の「許可歴」や「歴史の長さ」を示すものではなく、「許可が降りたタイミング」を示すに過ぎません。若い番号(例:01や02)を持っているからといって、古い会社というわけではないんですね。
まとめ:許可番号は奥が深い!
建設業許可の番号は、単なる記号ではなく、会社の事業スタイルや、下請業者を守るための行政の配慮が込められたものです。
特に「特定建設業」は、厳しい要件があるからこそ、その許可を持つことが元請としての信頼の証にもなります。
当事務所では、建設業許可の新規申請はもちろん、「一般から特定への変更(ステップアップ)」や「更新」の手続きも徹底サポートしています。
「特定建設業の要件をクリアできるか確認したい」「更新期限が迫っている」といったご相談もお気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。